「ブラックジャックによろしく」(SP含)
本編の方はかなり以前に見終わっていたが、SPの「涙のがん病棟編」をなかなか見ることが出来ず、最近になってこちらもやっと見終わった。
本編の一つ一つのエピソードが提起する医療現場の深刻さや問題の深さを思うと、"がん"患者に焦点を当てたSP版の内容は、何人かの身内をがんで亡くした経験のある者から見ると、より身近に現実を知っているだけに、若干演出過多のような気もして感情移入の度合いが落ちた気も・・・。でも、それでもがん治療を取り巻く日本の医療制度の現実は、かなりリアルに突いて描かれていたと思う。
11話(プラスSP)でこれだけ濃い内容を描き切っていたのは実に素晴らしい。
理想に燃える研修医の主人公斉藤 英二郎(妻夫木聡)が、医師として医療現場の厳しい現実にぶつかりながらも、必死で一人一人の患者・命に向かい合う真摯さと情熱は、もしかしたら"リアル"とは言えないのかもしれない。
でも、原田芳雄さん演じる北先生が、鈴木京香さん演じる赤城看護師に言う言葉がある。これこそが、矛盾と葛藤で一杯の日本の医療の問題と現実、そしてそれに立ち向かう研修医英二郎の奮闘を通して描きたかった、この作品のメッセージではないかと思う。
「患者の笑う顔が見てみたいなんて、ね。
こんなロマンチックなことを言ってられない時期が、
斉藤君にも来るだろうけどさ。
でも、どっかでそういう気持ちってのは、
残しておかなくっちゃいけないんだよね。」研修医英二郎が出会う医師たちを演じる俳優さんたちの豪華さが凄い。
そして、個性的なキャラ設定も研究されており、上手く表現されていたのも印象的だった。
「ブラックジャックによろしく」が突き付けるメッセージ性の圧倒的な力強さと濃さを感じるにつけ、同じく研修医の奮闘と成長を描く「外科医ポンダリィ」の生温さは、医療ドラマと言うにはやはり物足りなく感じるしかない。
2007年03月03日 日本ドラマ トラックバック:0 コメント:2